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2008年8月18日 (月)

杉田 望著、金融崩壊―小説日本銀行

2008年には総裁選びで何かと話題になった日本銀行。

その内幕は?そして、前総裁、速水氏の評価は?

と言う疑問を持ったら、読んでみてもいいかもしれないけど、良くないかもしれないのがこちら。

杉田 望著、金融崩壊―小説日本銀行

評価は

★★☆☆☆ (このような本があることを知っておく価値あり)(評価の基準はこちら)


日銀の内幕が、何となく見えるという点では面白いのですが、あまりにも尻切れトンボというか…

結局のところ、著者はこの本で何を言いたかったんですかねぇ?

日銀の闇給与問題を白日の下にさらす?それでも行内にいる「改革派」の側面支援?それとも、日銀版「課長島耕作」?

もちろん、日銀には様々な利害が絡むし、その性質上業務が理解しにくくて描くのは難しいとは思うのですが、もう一がんばりして欲しかったよなぁ…、と思ってしまいました。

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2008年8月 8日 (金)

板倉 雄一郎著、真っ当な株式投資

「社長失格」で一世を風靡(?)した板倉雄一郎さん。

その板倉さんが、一般の人向けに書いた投資の指南書を読んでみました。

板倉 雄一郎著、真っ当な株式投資

評価は

★★☆☆☆ (このような本があることを知っておく価値あり)(評価の基準はこちら)


「ナニ言ってるか、わかんねーよ!」というのが低評価の理由。だってさ、

「さまざまなものを買う『消費』という行為は、広義の『投資』の中の一部分です」って言われて、「なるほど、そうなんだ」って思えます?

いや、もちろん、分かるんですよ。この本の底流をなす思想、「投資とは『確実な今』と『不確実な未来』を交換する行為である」を敷衍すれば、消費もまた投資の一部である、と言う議論は。

でもさ、それって、言われて分かるのは、投資を充分に(十二分に?)やっている人。

板倉さんが、「社長失格」の経験と知名度を持って語るべき相手は、そうじゃないでしょう、と言いたいんだよね。資本主義の洗礼を受けた板倉さんだからこそ、投資という、高度に思想と感情を刺激するものを、分かりやすく説くことに意義があると思うんだけど…

っていうか、ここまでレビューを書いてきて、ふと気が変わっちゃった。板倉さんは、これで良いんだな、きっと。

またとない体験を経た上でたどり着いた結論は、たとえ難しくても、投資の本質を、分かる人に説いていくこと…。それならそれでありですね。

ということで、板倉さんの世界観に触れてみたい人は、一読してはいかがでしょう。

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大久保 貞義著、有料老人ホームのすすめ

「老人ホーム」と聞いて、どんな印象を持ちますか?

「介護とかあるから安心だよね」というポジティブな感想から、「なんか、姥捨て山みたいでねぇ…」というネガティブなものまで、印象は人さまざま。

ただ、もしもの場合、介護を家族だけでやるってかなり厳しい。実際にどうするかは別にして、老人ホームに入居することも検討しておくべきですね。

そのための材料として読んでみたのがこちら。

大久保 貞義著、有料老人ホームのすすめ

評価は

★★☆☆☆ (このような本があることを知っておく価値あり)(評価の基準はこちら)


この本さ、著者の経営する老人ホームの宣伝なわけ。だから、「老人ホームって、ぶっちゃけどうなんだろう?」という疑問にはぜんぜん答えてくれない。良いことしか書いてないしね。

もちろん、数多くのユーザーの声が載っているのは、「なるほど、介護ってこういう状況なんだな」という参考にはなるんだけど、それだって客観性がねぇ…

いずれにしても、老人ホームに関しては、実はマネーの重大事だから、これからも本を紹介していきたいと思います。

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マイケル・ルイス著、マネー・ボール

最近の読売ジャイアンツの低迷ぶりには目を覆うものがありますね。

実力もさることながら、テレビの視聴率がとれないのは深刻な問題。まぁ、たしかに、他球団から選手を札束で引き抜いてくる運営、なじめないもんなぁ…

でも、だからといってチームが強くなるわけではないのが野球というスポーツの面白いところ。それを証明してくれたのがこちら。

マイケル・ルイス著、マネー・ボール

評価は

★★★★★ (何度でも読む価値あり)(評価の基準はこちら)

簡単にいっちゃうと、安い給料の良い選手を発掘すれば、お金をかけないでも勝てるんだよ、ということ。

この本の面白いのは、その「発掘」の方法を詳細に説明してあるところ。いわく、どんな球を投げるとか、体格がどうだかは関係ない。それよりも、打者であれば長打率と出塁率(ちなみに、盗塁は関係ない、というか、むしろ評価されない)、投手であれば、与四死球数・奪三振数・被長打率をみれば、チームの勝利に貢献する選手かどうか判別できるということ。

そして、投資家にとって大切なのは、この、選手選別の考え方が、そのまま株の選別にも使えること。

 ・「常識」や見てくれにとらわれず、冷徹なデータで選別すること
 ・大事なのは選別の経過であって、結果は二義的なこと (長期的に成果を上げるため)
 ・一度決めたポリシーは徹底すること

等々、ちょっと耳が痛いアドバイスなのでは?

良く書けているなー、と思ったら、それもそのはず。著者は、「ライアーズ・ポーカー」などで米国金融業会の内幕を描いた、マイケル・ルイス。

ちょっと変わった投資の指南書としてお勧めです。

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2008年8月 2日 (土)

橘 玲著、マネーロンダリング

「マネーロンダリング」って聞いたことありますよね?

ヤクザとかが地下経済から吸い上げたお金を、キレイに「洗濯」して表の社会でも使えるようにする手口。

あれ、実際にはどんなことをやってるんだろうねぇー、と言う疑問に答えてくれるのがこちら。

橘 玲著、マネーロンダリング

評価は

★★★☆☆ (立ち読みする価値あり)

(評価の基準はこちら)

手法自体いろいろあって面白いんだけど、全体感とでも言うのかな、「そもそもマネーロンダリングって何?」というのが見えてきませんでした。

え?小説なんだから、そんなのどうでも良いだろう?

うーん。逆に、小説として読むならば、主人公がなぜ行動するかが描けていなくて、これまたかろうじて及第点、と言う感じ。デイトレードで負け犬となった主人公が、なぜヤクザの向こうを張ってリスクをとる必要があったのか…。必然性がないんだよね。

結果として、彼女を追跡するストーリーも、チグハグになっちゃってるし。

あ、とはいえ、著者の持つ、「お上に頼らないで自立を目指そう」というメッセージは好き。一見すると脱税指南の本なんだけど、このメッセージがぶれないので、読後感はそれほど悪くない。

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