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2008年4月22日 (火)

シリーズ: 行動ファイナンスを超えて テリー・バーナム著、トカゲの脳と意地悪な市場

シリーズ: 「行動ファイナンスを超えて」第二弾はこちら。

タイトルがナニで、この著者大丈夫かなぁ、と思いましたが、実は内容的には真っ当な経済学と投資の本。

ってゆーか、タイトルのわりには、「トカゲの脳」があまり出てこなくて、竜頭ダヴィンチ・コード、もとい、竜頭蛇尾な感を否めず。

  テリー・バーナム著

トカゲの脳と意地悪な市場

評価は

 評価★★☆☆☆ (二つ星)

(評価の基準はこちら)

「トカゲの脳」というキーワードにたくして、人間の不合理な投資行動を新科学的な観点から解説するのはgood

加えて、経済学の基本原理(インフレ、為替と金利)、代表的な投資先(債券、株式、不動産)についての解説もgood

ところが、評価の悪さはひとえに読みにくさにある。だらだらとヘンテコリンな例が多くて、よくわからんッス。

ちなみに、訳もヒドイね。

オビ・ワン・ケノビが、ルークに向かって、「軍隊を使え」はないだろう?おそらく原文は、"Use your force" (フォースを使え)。よくこれで、恥ずかしげもなく「訳者の」献詞なんか書けるよな。つーか、ふつう訳者が献詞を書くか?著者のバーナム氏の奥さんは日本人なんだ!って一瞬思っちゃったよ、オイ!

コホン。失礼。つい興奮したようです。格調高くいきましょう。

えー、投資のアドバイスはある意味真っ当。特徴としては、少なくとも出版時(2005年)の米国の投資環境においては、債券を中心にしたもっと保守的なアセット・アロケーションを考えてはどうか、と言う点かな。ダウ平均のその後の推移を見る限り結果としてはあたっていなかったけど、ロジックは分かる。

下記、投資のアドバイスの部分だけピックアップして掲載します。よく見ると、このアドバイスもずいぶん偏ってるね(個別株を前提にしているのかな?)

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第10章: 時代をこえたアドバイス
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1. 感情的には取り引きしないこと。できるだけ小さな取り引きにすること。
2. 決して他人の助言で取り引きしないこと。
3. 決してナンピンしないこと。投資を買い増しするのは、価値が上がっているときだけ
4. ドルコスト平均法をしないこと。
5. あなたの投資ニュースの摂取量は、絶えず自分の取り引きの時間枠と等しいものにすること。
6. 自分の投資建玉を合計した姿で見ること。とくに防衛的な建玉と、守られている他の投資と結び付けて確かめること
7. 自分の投資の建玉を充分に保守的に維持すること。
8. 過度に取り引きする人は、衝動的な取り引きができないような投資のアレンジをするべきである


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第11章: タイムリーなアドバイス
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1. リスクの低い資産に資金を多く配分すること
2. インフレとデフレの防衛となる債券を買うこと
3. 短期の債券を買うこと
4. 小さな家に住むこと
5. 住宅ローン(モーゲージ)を固定金利にすること
6. 他の通貨に投資すること
7. 借金を返すこと
8. 確実な収入源を確保しておくこと

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意地悪な市場から利益を上げるための4つのカギ
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1. 人とは違うことをすること
2. ドーパミンを放出しない取り引きをすること
3. 感情的に現実的な投資プランを作ること
4. 計画にこだわるように充分に強くあれ

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2008年4月 6日 (日)

シリーズ: 行動ファイナンスを超えて ピンカー著、人間の本性を考える 心は「空白の石版」か

当サイトでもたびたび紹介している行動ファイナンス。「人間は合理的ではないし、投資の意思決定でさまざまなエラーを起こす」というコンセプト、賛成です。自分で振り返ってみて、トンチンカンなことをやっているしね。

では、問題。人間は、なぜ投資の意思決定において、そのようなエラーを起こすのでしょうか?

というのを深掘りするのがこのシリーズ、「行動ファイナンスを超えて」です。

今回紹介するのは、人間はそんなにバカではないよ、と言う本。

いや、もちろん、投資の意思決定でエラーを起こすのは認めます。

でも、その原因を、単に、「バカだから」と捉えるのは間違ってるんじゃないの、という立場です。むしろ、人間の心の働きは進化の過程において最適化されてきたが、現代の環境にマッチしないのでさまざまなエラーを引き起こしている、と言うことですね。キャッチーなキーワードで言うと、「進化心理学」という学問分野です。

今回紹介するのは、進化心理学を広めるキッカケになった本。

  ピンカー著

人間の本性を考える 心は「空白の石版」か (上)

と、ここまで派手な前振りしておいて悪いんだけど、

評価は

 評価★★

(評価の基準はこちら)

正直言って、何を書いてあるのかよく分からんかった。

原文のせいなのか、翻訳のせいなのかは判然としないが(おそらく両方?)、書いてあることの意味を掴むのが難しい。たとえば、

  「心の世界は、情報、計算、フィードバックという概念によって物理的世界にもとづかせることができる」

とか、意味分かる?

わかんねーよ!もうちょっとやさしく書いてくれよ!

と言うのが偽らざる感想。

(上)だけ読んで、後を続ける気力はなくなってしまった。

あ、唯一発見があれば、名著「従・病原菌・鉄」(ダイアモンド著)が、進化心理学と関連しているという指摘。今度こっちを読み直してみよう。

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2008年4月 2日 (水)

末永他、神と悪魔の投資論―リスクと心理のコントロール

書名がキャッチーなわりには真っ当なことを書いてあるのに、今ひとつ言いたいことが伝わらなくてもったいない、というややこしい本。

  末永他

神と悪魔の投資論―リスクと心理のコントロール

評価は

 評価★★★

(評価の基準はこちら)

筆者は、ディーラーや資産運用アドバイス業務などを経て、現職は日興コーディアル証券SMA・アドバイスセンター長。なので、いわば投資のプロ。

書いてあることも非常に真っ当かつ、面白い指摘が多い。たとえば、

 ・アナリストのレーティングはけっこうあたっている(その後株価は上昇した)

 ・ということは、アナリストレポートを元に、投資対象のを絞り込むことが出来るのではないか

 ・その上で、特定の銘柄を絞り込んで、「LC-PH戦略」を実施すればかなりの確立で勝てるはず

 ・LCはロスカット。買った金額よりも、たとえば15%下落したら自動的に売ってしまう
 
 ・過去のデータによるとロスカットは15%がもっとも効率よい
   ※全銘柄を毎日売り買いするシミュレーション結果なので、どのくらい現実的かは限定的

 ・PHはプロフィット・ホールド。儲けが出ている銘柄は持ち続ける

 ・ロスカット率の設定によって、売買可能金額の条件が決まってくる

 ・LCとPHを組み合わせる際に、トレイリング・ストップを使う

などなど。

一方で、全体としてのまとまりがないのが残念。冒頭のリスクの説明を読むと、初心者向けの本なのかな?と思ったが、中盤以降は明らかに経験者を意識した書き方。専門用語もバンバン出てくるしね。

どうように、せっかく上記で説明したLC-PH戦略を、「はずれることを前提として使うのだ」といっちゃっているので竜頭蛇尾というか、逃げてんじゃねーよ、というか。

そう言えば、著者がスピーカーを努めるセミナーに行ったことがあるが、いい人なんだけど衒学的というか、韜晦趣味がある感じ。

とはいえ。

良いことが書いてあるのも事実なので、個別株でシステマティックに儲ける方法を考えたい方は、読んでみてはいかがでしょう?

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